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松の司 蔵元ブログ

名誉杜氏 瀬戸清三郎 逝く。

5月5日。
当蔵の名誉杜氏である瀬戸清三郎氏(94歳)が逝去されました。
昔から「松の司」をご愛飲頂いているお客様でご存知ない方はおられないかと思いますが、今から約10年ほど前まで当蔵の杜氏をされていた方です。

能登杜氏と呼ばれる石川県の杜氏集団。その家系に生まれた瀬戸氏。初めて当蔵に来られたのは終戦のたった2日後だったそうです。その後複数の酒蔵で修行をされ、まさに日本酒の流れが普通酒から特定名称酒へと切り替わる黎明期に当蔵の杜氏に就任されました。吟醸酒ブームを迎えた頃、同じ世代の『能登杜氏四天王』と肩を並べ切磋琢磨し技術を磨き、「松の司」発展の原動力として28年もの間ご活躍されました。瀬戸氏の魂は松瀬酒造の歴史に色濃く残り、杜氏を降りられてから10年経った今も色褪せる事なく、その功績とお人柄は語り継がれています。

また私事ではございますが、家が蔵のすぐそばということもあり通学等で蔵の前を通る時、冬になるといつも現れる『謎のおじさん』がいました。いつもどこかピリピリとした雰囲気を出し、挨拶しても「あいあい」と言われるだけの怖いおじさん。そのおじさんが松瀬酒造の杜氏さんだったと気づいたのは入社してすぐの事。その時おじさんはお米が蒸される良い香りと共に私の前に現れたのです。一緒に仕事をさせて頂いたのは2造りだけでしたが、それはそれは貴重な経験でした。

そんな瀬戸氏が逝かれる数週間前のこと、氏のもとで約10年間修行をした現杜氏の石田が、能登杜氏組合の自醸清酒品評会にて大変名誉ある最優秀賞を受賞しました。生前最期にとても良い報告が出来たのではないかと思います。能登杜氏組合で一位を獲った石田を見てホッとされたのかな?なんて思ったりもします。

激動の時代を駆け抜けて、「松の司」の繁栄に尽力された瀬戸氏。金沢酵母を使い上手く当蔵の仕込水と合わせた技術はまさに「松の司」の味となり今も引き継がれています。変わることのない味の根底に瀬戸清三郎は生き続けて行くでしょう。

生前から瀬戸清三郎の造る「松の司」をご愛飲してくださった皆様、どうもありがとうございました。誠に勝手ではございますが故人に変わりまして御礼を申し上げます。またその意思と技術を継いだ現杜氏 石田にも今後とも変わらぬご声援をどうぞよろしくお願い致します。

蔵元はじめ社員一同心よりご冥福をお祈り申し上げます。お疲れ様でした。杜氏さん。

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管理人K。






by matsunotsukasa | 2019-05-14 16:42 | Comments(0)