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松の司 蔵元ブログ

『松の司のきき酒部屋 Vol.7 〜後編』

『松の司のきき酒部屋』ではサケ・ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)取得の2人の蔵人が松の司のいろいろな商品をきき酒し、その感想をお届けします。

*サケ・ディプロマとはJ.S.A.(日本ソムリエ協会)が認定試験を行う日本酒に特化した資格認定制度です。

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第7回目、『松の司 純米大吟醸 黒』の後編です。前編では、派手さは無いけれどおだやかで落ち着いた中に、繊細な複雑さや風格を感じさせる味わいという評価だった『黒』ですが、料理とのペアリングはどのような話になるのでしょうか?

引き続きいつもの2人と松瀬 弘佳くんの三つ巴できき酒部屋のスタートです。





遅めの流速と甘み

ーーさて続きまして料理とのペアリングですが、このクラスのお酒っていうのもありますし、複雑さや上品さが特徴となると料理と合わせるよりお酒単品で飲みたい感じでしょうか?


雄作
いや、でも派手じゃ無いから全然いける気しますけどね。

圭太
ただ、そこそこのものとは合わせたくなるかもなぁ。

雄作
確かに家庭料理って感じでは無いかも知れませんねぇ。ヒロくんはどう?

弘佳
どうでしょうねぇ・・・。


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松瀬 弘佳 / 24歳、次代の蔵元となるべく酒造りに限らず目下勉強中。



雄作
まずは和食かなぁ。

弘佳
例えば牛刺しとか、和牛の握りとかあるじゃないですか。どうかなぁと。

雄作
肉の脂多いのは良いかもしらんね。赤身がちっていうよりは。僕、最初に思ったんは、海老の刺身とかカニ刺しとか。

弘佳
海老っていうと甘エビとかですか?

雄作
うん。甘エビとか伊勢海老とか、すごく甘味のあるやつ。あとはキンキとか白身やけどちょっと脂多いやつかな。


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築山 雄作 / 33歳、蔵人歴7年、2018年 J.S.A. SAKE DIPLOMA取得



圭太
俺思ったんはグジやったなぁ。白身でちょっと皮炙ってたりしたら良いかなぁって。イカとか海老はこれまでのペアリングの話でもよく出て来てたけど、合いやすいんかなウチの酒と。

弘佳
酒の味の流速が遅くて甘みがあると、イカ刺しとかは良いような気がしますね。

雄作
あとはクエとかかな。

弘佳
ホタテとかはどうですかね?

雄作
ホタテなぁ・・・貝類なぁ、どうやろ。

弘佳
ちょっとキツ過ぎますかね、主張が。

雄作
貝類にやったらもう少しアミノ酸多そうな酒と合わすかなぁ。でもホタテはありかも知らんけど。


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『松の司 純米大吟醸 黒』酒米は兵庫県(特A地区)産の東条山田錦のみを精米歩合35%で使用。酵母は熊本系を主体に数種ブレンド。




出汁に合わせる


圭太
前に東京の一凛さん(=東京神宮前の「日本料理 一凛」)でペアリングやったけど、出汁に合うっていう、あの時は椀物に合わせてて。すごく綺麗な出汁とこの精白した(=高精白、精米歩合35%)綺麗な酒の感じが近づくっていうか、すごく良かった印象がある。ただ家で食べるような料理からはちょっとイメージが遠いけど。

雄作
今の話やと茶碗蒸しとかね。あの卵の甘味と出汁の上品さと、家で食べるならこれからの季節冷やしても良いでしょうし。あと野菜やとトウモロコシの冷製スープとか。ああいう砂糖入れずに自然の甘みぐらいが酒の甘みと共存するし、面白いんじゃないかなって気がするなぁ。


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右:松瀬 圭太 / 37歳、蔵人歴12年、2019年 J.S.A. SAKE DIPLOMA取得




リースリングから考える

ーー例えば洋食だとどんな料理が良さそうですかね?


雄作
さっきヒロくんリースリングみたいって話ししてたから、何かドイツとかあっちの方の料理とか・・・。あれはオーストリアやったけど仔牛のカツレツとかとリースリングはすごい良かったけどなぁ。日本ではあんまり食べへんけど。

弘佳
あぁー。

雄作
日本のトンカツよりはるかにサッパリしてるから。


ーー薄めのトンカツみたいな?旨味の強い?


雄作
薄めやし脂もほとんど無い感じですね。でも旨味強めでも無くて、淡白やけど鶏とまではいかへんけど、日本で思う豚よりもっとサッパリしてて。でも豚でも脂少ないフィレとかやったら合う気もしますね。あとミネラル感っていうところで塩つけて食べるのも良い気がしますし。

弘佳
ラムとかどうですかね?ラムチョップとか塩で。そんな脂も強くなくて、ミネラル系とも相性良さそうな気がします。

雄作
あぁ、ラム良いかもなぁ。


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ーー割と肉系だと脂少なめで肉自体の甘さがある印象ですね。ラムだと若干のミルキーさもあるし、味わいの話で出て来た“粘度”みたいな質感に合うんでしょうか。


弘佳
系統は似てるかも知れないですね。

雄作
肉も生やと多少脂あっても良いかも知らんけど、焼いた時はね・・・。

圭太
俺はやっぱり脂有る無しでは無く肉よりはもっとクリアなものと合わせたくなる。甘味よりも細身な味のところに合わせたいかなぁ。さっきも言ったけど出汁系で洋食とかになると何やろう?

雄作
コンソメとかですかね・・・。


ーーなるほど。さっき話しされてた味わいのキーワードとして、甘味・落ち着き・クリアさなどが出て来てましたよね。そういう味自体は重たく無いけどクリアな中でしっかりと味わいの層が厚いスープには合いそうです。スープに合う日本酒ってあんまり訊かない気がしますし、面白いと思います。


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食材自体の力が欲しい


雄作
案外、冷やし中華とかと飲んでも全然いける気もするんですけどね。違和感は無さそうな・・・餃子では無いですもんね。

圭太
うん。餃子じゃ無いなぁ(笑)冷やし中華でもいけるんかも知らんけど、何か構えるんかなぁ、酒に。あの『陶酔』の時みたいに「意外に普段飲みでもいけるやん」って感じにならへんのよなぁ。

雄作
うん。ならへんすね。酒も繊細やし。

圭太
そう、この酒の高級感と繊細さが・・・。


ーーでもそれはこのお酒の“格”としてはすごく正しい味わいだと思います。同じ純米大吟醸でも、ちゃんとランクとして造りとして『陶酔』とは全く違うキャラが立っていて。


雄作
『黒』でもクエ鍋とかカニ鍋とかやったら良いかなって。高級食材でちょっと時期が違うからイメージしづらいかも知らんけど、食材自体に力があるっていうか、味が強いっていうんじゃ無いけど、それだけで勝負出来る食材じゃないですか。カニもクエも。そういうのに『黒』は合わせたいかな。陶酔とはちょっと違いますね。


ーー派手でハッキリとした味の取っ掛かりで合わせるっていうよりも、食材自体のテンションが必要になって来そうですね。


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おせち


弘佳
“おせち”がある時にこの酒があったら楽しめるんじゃないかなって思ったんですよね。特に伊達巻とか合うんじゃないかって思って・・・そこからおせち料理の中身を考えたら、結構カニとか海老とかあるし。

圭太・雄作
あぁー。

弘佳
おせちって選りすぐりの逸品をミニマイズしたみたいなところがあるじゃないですか、それも全部品があって格もこの酒と合いそうだし。グレードがあってる中で選びながらっていうのは一番楽しめるんじゃないかな。おせちの具材よりもこの酒の主張が強くなり過ぎず、寄り添うかたちでいられるっていう。

圭太
うん。おでんとかと何でも合うっていうのじゃなくて、おせちっていうグレードの中での食材とのペアリングは良いかもなぁ。

弘佳
えぇ、良いんじゃないかなぁと。

雄作
時期的にも良いお酒ですよね。

弘佳
お正月に、今日は『黒』で・・・って。


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『きき酒部屋 Vol.7』いかがでしたでしょうか?繊細な複雑さや品格を持った『黒』とのペアリングは、今までになく食材自体の力や料理のグレードを意識させるものになりました。前回の『陶酔』の持つフランクさとは全く異なる個性でしたね。

高価格帯でもありますし、普段飲みにというものではありませんが、何かの節目であったり“ここぞ”という日にテンションの高いお料理と合わせていただければ、きっと至福の時間を演出してくれること間違いなしです。また大切な方への贈り物に使っていただければ喜んでもらえるのではないでしょうか。

さて、次回はこの6月と年末11月にリリースする限定商品『松の司 大吟醸 Ultimus(アルティマス)』をきき酒したいと思います。どうぞお楽しみに。



商品紹介:
『松の司 純米大吟醸 黒』
1.8L オープン価格(希望小売価格 9,000円税別)*専用箱入り
720ml オープン価格(希望小売価格 4,500円税別)*専用箱入り

ご購入はこちらから:特約販売店一覧



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by matsunotsukasa | 2020-06-18 09:04 | 松の司のきき酒部屋 | Comments(0)