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松の司 蔵元ブログ

カテゴリ:日記( 76 )

『水から考える松の司』 〜第3話



〜プロローグ〜

これまで自分たちが造っている松の司というお酒について、そこに貫通する“味わい”や“松の司らしさ”といったものについて、肌感覚で分かってはいても、あまりはっきりとした言葉で表現して来れなかったように思います。

現時点でそれらを完全無欠の言葉で表現するのは難しいですし、おそらく不可能だとは思うのですが、当蔵の石田杜氏がここ数年取り組んできた“水”と言う観点から何かその裾にでも手が掛かるのでは無いかと感じました。

そこで『水から考える松の司』と題しまして、松の司のお酒全体に共通する“味わい”であり“何か”を、その仕込水から考えてみようと石田杜氏にインタビューを行った次第です。その話は水についてだけには留まらず、“井戸とは” “地酒とは” “理想の味わいとは” というさまざまな思想がふんだんに詰まったインタビューとなりました。

そんな新鮮な記録を3話に分けてお届けします。どうぞお楽しみください。



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松瀬酒造 杜氏 / 石田 敬三




均整美

ーーウチのお酒って“キレイ” “クリア” と表現されることが多いと思うのですが、今うかがった松瀬酒造の水の質から考えるともう少し重いというか力感やエッジがあるような、若干お酒とのイメージの違いを感じます。


石田
人がキレイという時に、特に日本酒業界でキレイっていうと肉薄で、ゴツいっていう時は味がガッツリしてるっていうのはあるけど、それとは違うところで“均整美” があったとしたら・・・。

水がサラッと流れる細身のキレイさもあるし、割合米を溶かして(=味がゴツく)てもキレイなところがあるから、そういう意味で、こう・・・味をまん丸にはしたいなぁ。違和感の無いっていうか。


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石田
若いのに年寄りみたいな人もおかしいし、細いのに肉付きあるような格好しようとしても無理やし。だから自分のところの水とか、テクニックとか、好みに即したカタチで「あの人、違和感無いなぁ」っていうのを。

全体としてキレイって言われるのがベストやと思うけどなぁ。そういう意味でキレイやと良いなぁ。

水って人間でいうと育ちみたいなもんで、育ちがあってそこの骨格に対して肉付きがあって、その全体の肉付きとか育ちに対しての、仕立てとか服とかデザインが出来たら。上品で違和感無いんやけど、他の人と並べた時に「あぁ、あの人やっぱりどの人と並べても違和感無い」っていうか・・・。


ーーえぇ。四角い水を丸く包むことで感じられるような自然なキレイさってことですかね。


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偉大な普通


石田
ちょっと話しそれるけど、ワインのブルゴーニュのシャルドネが何でそんなに凄いんかなって思うやん、やっぱり。シャルドネで比べた時にムルソー(=フランス・ブルゴーニュ 地方にある産地)の1級があって、世界で1番有名なシャルドネの良い畑なんやわ。

・・・普通ねん、ホンマに。

造り手も良い造り手で、口の中に入れたら普通ねん。シャブリ(=フランス・ブルゴーニュ地方の最北の地区)の方がやっぱりエッジ立ってたりキャラ立ちしてるし、あともう一つカリフォルニアかどっかのそれも良い造り手やったんやけど。もう1回隣のキャラ立ちしたやつから普通のやつに戻ったら、いつまでも上品に普通なんやわ。

でもただの普通のやつを持って来たら普通のやつはどんどん下がっていく。やけどホンマにバランスが取れてて落とし所を持ってるやつは普通に見えるけど下がらへんのやわ。


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石田
だからアレがどんなトレンドになったとしても残る酒なんやと思う、多分。潜在的なポテンシャルはもちろん必要なんやけど、その姿をどう見つけてやるかっていうのがね。

ブルゴーニュなんて数限りなくテクニックを使ってるわけやん。だから世界中が真似するんやけど、やらしいねん。だからテクニックとかそういうもんを「普通やなぁ」って、全部が均整美が取れてるのを追ってくのは歴史も要るし、それを造っていくだけの造り手側の素養やんな。


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『水から考える松の司』 〜第3話_f0342355_07370417.jpeg


ーーテクニックっていうのはそういう意味で必要なんですね。何か色を一生懸命つけるとか、特徴的な新しいものを生み出すんでは無くて、ホントにキレイな丸をどれだけ描けるか。どんどん透明に近づいていく技術のような。


石田
やろうと思うよ。何でも言われてる話やけど。

楽茶碗とかもそうやと思うわ、黒楽茶碗。アレは典型で、あんな普通のモワンとしたやわらかい黒だけの茶碗の何が凄いねん?なんやけど何を横に持って来ても下にならへんのやわな。そういうことなんやろうと思う。


ーー・・・偉大な普通。


石田
うん。偉大な普通。でもただの普通じゃ無いねん。自分の持ってるもんへの理解よな。

米に関してはこっち側で色々出来ちゃうから、持って来ることも出来るし。処理をしてるわけやから。話とか論文とかもいっぱいあるやん。ただ水に関してはそんな話が無いからなぁ・・・水は水ってなってしまってるから。

そこについて詰めていけば、何か自分として日本酒についてもっと面白く出来るんじゃないかっていうのがある。


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“らしさ”って

ーー現時点で石田さんとしてはその理想のカタチにどこまで近づけてるんですか?


石田
いやぁ・・・一応造ってるからさ。春終わった時点では、現時点での最高到達点やと思ってはいるけど、結局秋ぐらいになったら意外に変わってなかったなぁとか、やり過ぎたなぁとかあるから。

毎年毎年はアレしよう、コレしようってやってみるけど「コレ当たり」っていうのは分からへんからなぁ。一個一個シラミ潰しにしてるつもりやけど一個やったらまた一個出て来るし。

造ってるとやっぱり子供みたいなもんやから。目に見えてるところから出て来て、良くあって欲しいわなぁ。絶対良い奴であって欲しいって思うやん。でも実際はそんなことは無いわけで(笑)。


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ーー今回お話を聞いてて、石田さんの中で“松の司らしさ” っていうのは“この味わい”っていうものじゃ無いんですね。


石田
無い、無い、無い。

“松の司らしさ” ってそりゃあったと思うよ。前の杜氏さんとか前の前の杜氏さんの時から。今まで話した中にもあったやろうし・・・。う〜ん、でもこの敷地内でその時々の従業員が一生懸命に造ったら、それが瞬間風速的な“らしさ” やと思うし。

それを超えて何か違うものも造られへんし、そこ超えて造っても良く無いしなぁ。だから、そういうもんを皆んなで担保しあってるのが良いんじゃないかなぁ、多分。




インタビューはこれでお仕舞いです。『水から考える松の司』いかがでしたでしょうか?

今回追い求めてみた“松の司らしさ” やその“味わい” というのは何か特定の個性にあるようでいて、絶えず変化しながらも一つの姿を保とうとする松瀬酒造という渦の瞬間瞬間を捉えた写真に映るようなものなのかもしれません。

自分の蔵の“水”という大切な一つの要素を探求する中で触れた、今この瞬間の松の司を、皆さんにお伝え出来たなら幸いです。


<終わります>






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by matsunotsukasa | 2020-06-04 07:58 | 日記 | Comments(0)

『水から考える松の司』 〜第2話



〜プロローグ〜

これまで自分たちが造っている松の司というお酒について、そこに貫通する“味わい”や“松の司らしさ”といったものについて、肌感覚で分かってはいても、あまりはっきりとした言葉で表現して来れなかったように思います。

現時点でそれらを完全無欠の言葉で表現するのは難しいですし、おそらく不可能だとは思うのですが、当蔵の石田杜氏がここ数年取り組んできた“水”と言う観点から何かその裾にでも手が掛かるのでは無いかと感じました。

そこで『水から考える松の司』と題しまして、松の司のお酒全体に共通する“味わい”であり“何か”を、その仕込水から考えてみようと石田杜氏にインタビューを行った次第です。その話は水についてだけには留まらず、“井戸とは” “地酒とは” “理想の味わいとは” というさまざまな思想がふんだんに詰まったインタビューとなりました。

そんな新鮮な記録を3話に分けてお届けします。どうぞお楽しみください。



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松瀬酒造 杜氏 / 石田 敬三




理解してデザインして着せる

ーーこれまで日本酒ってお米にフォーカスされることが多かったように感じます。でも日本酒ってほぼ8割が水で。
今、石田さんのお話を聞いているとお酒を造る際に、真ん中に水の性質があって、お米などの原料で良い支え方をしてあげるようなイメージになるんでしょうか?


石田
女の人で例えたらあれなんやけど、全部体重を測って服以外は8割が人間の裸の体重やからって「8割裸やん」っていうのはそれは違うやん。ブランド物の服着てるあの人ステキやなって思うとして、ステキな理由はその2割の服のせいってそれも違う。

中身のその骨格とか肉付きがあってそこに合うもんがあるから、全体としてキレイなわけで。だから裸だけでも醜悪やし、服だけでもやらしいから。

そう、米だけ、酵母だけの仕立てのテクニックだけやとやらしい。中のその・・・もしかしたら長いスパンで見た“育ち”なんかも知らんけど、そういうものを理解してデザインして着せるっていうのがホンマの造りのあり方やと思うんやけどなぁ。


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松瀬の水

ーーウチのお酒を造っていく時のイメージというか、土地を仕立てていくイメージは今うかがったことで良く理解出来たんですが、ウチの水自体の個性というのがどのようなものかうかがいたいです。


石田
一番、日本酒業界で良いってされてる酒の姿は細くて余韻が短くて、口の中の質量が少ないもの。サラッと消えて、口の中をサーっと抜けてくやつ。ウチの水の場合は、入りは軽く入るんやけど口の中でグッと重い。


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石田
鶏のササミと脂身を剥いだモモ肉を食べたら、やっぱりモモ肉の方が風味も強かったりするやん。


ーー力感とか重量感はありますね。


石田
高硬度の水とかって分かりやすくって、マグネシウムは苦い、カルシウムはまったりする、んでカリウムは割合塩味っぽいんやと思うんやけど。これは口の中に当たった時に分かりやすいっていうか・・・。


ーー味として捉えやすい?


石田
うん。ウチとこのは硬度は低いから、入りは結構サラッとクセ無いんやけど、後で味じゃ無いところのゴツって骨張ったような、味のカタチとしたら四角っぽいもんが舌に乗る。だから滑らかでは無いよなぁ。

さっき言った隆兵さん(=京都市の桂にある「隆兵そば」)とこの水と比べると特にそう思うわ。硬度が一緒やから余計に。


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骨格と肉付き

ーーそれがお酒になった時、味わいとして出て来やすいクセってどんなものですか?


石田
筋肉質なんやと思うよ。純粋に。

男の細い柳肩の人になんぼゴツイ筋肉付けても無理があるやん。それで言うとウチのはやっぱり骨張ってるし。


ーーそれは味わいとしての渋味や苦味とかとはまた違うんですか?


石田
逆に骨格の大きい人を無理に細くしようとすると、やっぱり歪やしギスギスした感じになるやん。

だから米でその肉付きって造ると思うんやけど、ウチの場合、こっち側から肉付きをいっぱい付けてやっても、そんなにダレた感じにならない。細い人に無理に肉付けようとするとただの肥満体みたいになると思う。


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石田
前までは、自分が「磯自慢」好きやったり、肉付き細くしようと米の吸水率を下げて、麹もシメてハゼ周り少なくして、麹の力価を下げて味を減らす。米の溶けるのを減らすってしてみたけど、良いことが無かったんやわ・・・。

そうすると苦いから。それは水のせいじゃなくって。

もしそれが細い骨格の水で、肉付き少なくしてやったら、水を飲むみたいにサラッと流れてストレスなく口に入るかも知らんけど、ウチの水は割合飲むのにも体力要るから。それをサラッと飲まそうってのは無理で、飲むのに体力要るけど、それはそれで個性やからそこに肉付きを持たせてやっても良いんかなって。

今はそう思ってるけど。



<つづきます>






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by matsunotsukasa | 2020-06-03 12:00 | 日記 | Comments(0)

『水から考える松の司』 〜第1話



〜プロローグ〜

これまで自分たちが造っている松の司というお酒について、そこに貫通する“味わい”や“松の司らしさ”といったものについて、肌感覚で分かってはいても、あまりはっきりとした言葉で表現して来れなかったように思います。

現時点でそれらを完全無欠の言葉で表現するのは難しいですし、おそらく不可能だとは思うのですが、当蔵の石田杜氏がここ数年取り組んできた“水”と言う観点から何かその裾にでも手が掛かるのでは無いかと感じました。

そこで『水から考える松の司』と題しまして、松の司のお酒全体に共通する“味わい”であり“何か”を、その仕込水から考えてみようと石田杜氏にインタビューを行った次第です。その話は水についてだけには留まらず、“井戸とは” “地酒とは” “理想の味わいとは” というさまざまな思想がふんだんに詰まったインタビューとなりました。

そんな新鮮な記録を3話に分けてお届けします。どうぞお楽しみください。



『水から考える松の司』 〜第1話_f0342355_13421929.jpeg
松瀬酒造 杜氏 / 石田 敬三




同じ硬度でも違う味

ーーここ数年、お酒の味に対する“水の質”について色々と検証されていましたが、どのようなきっかけでスタートしたんですか?


石田
ずっと改良をしていくよね。どうしたら良い酒が出来るかってことについて。ステップ・バイ・ステップで麹について考える、酛(=酒母)について考える、原料(=米)についてはウチの場合もうそこそこ揃ってるから・・・。

結構色々とグルコース濃度とかも含めて“味わい”について手で触れるところは触ったんやけど、出品酒に関してどうしても引っ掛かるクセやテクスチャー、舌触りが出て来るんで水によるところがあるんじゃないかってとこに落ち着いたのが最初かな。

色んなことが同時並行してるんやけど、隆兵さん(=京都市の桂にある「隆兵そば」)とこの水が丁度アメリカ硬度で25mgでウチとこの水も25なんやわ。それで飲み比べてみたら明らかに違うんやわ味が。硬度っていうのは基本的に3つの元素のことでしかないから・・・。


ーー3つの元素・・・ですか。


石田
うん。カリウム、マグネシウム、カルシウム。硬度ってそれらの総量だけの話で。その一個一個の味も実際違うし、硬度だけで話がちやけど、味わいに関して硬度ってあんまり関係ないんじゃないか?ってところから比較してみようって、それがまず一つ。


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枯れた井戸


石田
で、その時丁度ウチの井戸も枯れたんやわ。使い過ぎて。

ちょっと話が錯綜するけど、井戸ってなんやろう?って。

水が湧き出るところに龍神さんを祭ったり、蛇を祭ったりする神社が結構あって。水に対して、湧き出ることに対して、その土地に対して信心するやん。お米に関しては日本酒の蔵って、稲は古事記・日本書紀でも言われてるように日本人の身体そのものやっていうので信心してるけど、水に関しても信心してて。

そこについてあんまり考えてなかったんやけど、自分がその、洗い物したり洗濯したり水をいっぱい使ったら井戸が枯れてしまった。井戸って寿命があるし、体力的な能力もあるし、実は生き物なんやなと。


ーー絶えず変動してる生き物ですか。


石田
そう。だからまず水についての理解と、井戸についての理解も進めないとって思って。土地への感謝っていうのと同じで。

思いとしてね、地酒ってものについて、自分が足で踏んでるところから出来てきたものを何かカタチに落として人に知ってもらうってことについて、もし自分とこの水が悪くてもそれを使い切らんと地酒に昇華出来ないんやって思ってて。

自分が井戸を傷めてしまって、新たに井戸を掘ってもらって、そこに信心を込めて社を作ってもらったところから、どう活かすのか。


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ーーそれが水に対するもう一つのスタート。


石田
自分とこの個性を知ろうと思うとやっぱり他のとことの比較がないと理解が深まらへんから。よく硬度で言われがちなところを、硬度じゃなくって、誰も教えてくれへん舌触りとかそういうことを自分で比較して醸造してみてやるしかないなっていうのが始まりかな。


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大地を舐めてきた味

ーーその舌触りやテクスチャーについて、色々と比較された中でそれぞれの個性の違いってどんなところでしたか?


石田
大きく今思ってるのは、“雨の水”っていうのはホンマにニュートラル。もちろんH2Oに近いやろうし何も入ってない感じ。

雨水をそのまま飲んだのかっていうと、そういうことじゃなくて浅井戸と深井戸の差がまずある。深井戸に関してはミネラルって言って良いんやろうけど、やっぱり何か質感があって、質量として重みとか存在感がある。ウチの場合も深井戸やん。

それって何かって言うと結局“石”なんやわ。

喜多さん(=喜楽長の醸造元 喜多酒造)とこの水がまったりするのはやっぱりカルシウムやろうし、それは海のせいやし。カルシウムは貝殻やから。フィリピン海峡からグーッと海の底が押し上げられて山になってて、そこを水が舐めて来てる。カルシウムが溶けてる溶けてないじゃなくて、何かその石っていうもんに、まぁ大地って言ったらおっきな言葉になるけど、そこを舐めて来るってことからの味。


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石田
ここ(=松瀬酒造)やったら花崗岩で、熱変性を受けた硅砂とかがグッと押し固められたその熱にならへん熱がやっぱりあるわけ。

で、隆兵さんとこやったら雨水に近い浅井戸なんやけど、愛宕山の方が硅砂が多くって砥石が採れるくらい。そういう所のは上滑りするくらいサラサラしてる。口の中でサーっと速い。

水は水やって言いながら、結局水は色んなイオンとか塩分、ミネラルとかそういう石の持ってるもんを、エネルギーとか気みたいなもんを持って来る気はする。石が水へ媒介するんやろうなって。


ーーはい


石田
転じると、じゃあ酒で何を表現しなアカンのかって言うと、表面的には“水”なんやけど、水の個性っていうのは石に転写されたものの溶媒やん。その溶媒に合う仕立てを米で肉付けしてやるっていうのが地酒っていうか、地方の小さい造り酒屋が造っていかなアカンものなんかなって。


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ーー土地の味・・・


石田
うん。土地の味っていうのはそういうことになるんやろうなって。だから、ここに住んで、ここで飲んでるからそれが土地の味なんやっていうのじゃなくて・・・。

華奢な人にゴツい服が好きやからって着せたりとか、すごい骨格あるのに細身の服が好きなんやって、そういうミスマッチがあったらアカンくて。その水が性分として持ってるものと、上に被せてやるものを品良くするっていうのが仕立てなんやろうなって思うんやわ。自分らはどこまでも加工業やから、加工業としてそういう理解がいるんやろうなと思う。



<つづきます>






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by matsunotsukasa | 2020-06-02 13:54 | 日記 | Comments(0)

R1BY 全国新酒鑑評会 入賞☆

お元気様です。ご無沙汰の管理人Kです。。

この時期、毎年の事なら全国新酒鑑評会の結果発表に賑わう酒屋業界。SNSなどではいろいろなお蔵さんがすでに公表されています。
ただ本年は「結審」と呼ばれる、いわば決勝戦のような審査が行われなかった事から、「令和元年醸造年度 金賞受賞蔵」は無しとなりました。
そんな中「成績が優秀と認められた出品酒」として、入賞酒に選ばれる事が出来ました☆
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3年連続、そして4年連続…と思いながら挑んだ年なだけに残念な気持ちでしたが、このご時世。仕方のない事が沢山ある中の一つとして考え、現時点での最高位に居れた事をまずは喜びたいです。飲まれる方すべての「美味しい!!」の笑顔の為。これも一重に皆様のおかげです☆

入賞、金賞…とありますが、獲れたから売れる訳でもなく、獲れたから旨いお酒か。これは全く関係なくて、そこを目指す過程が大事な訳で、良いものを目指す為の技術力。これが肝心☆私はそう考えます。

と、言うことでこの商品、ご購入が可能です。
とても美味しい!!とは、それぞれのお好みがあるので申しませんが、この研ぎ澄まされた弊社の技術力。ぜひ皆様ご自身で入賞レベルのお酒をご堪能頂ければと思います。またこの時期ですので他社様の商品も出回っているかと思います。複数のお蔵さんのお酒と利き比べるのも一興☆楽しみ方は無限大ですね☆

松の司 大吟醸 出品酒2019
精米歩合:30% 使用米:兵庫県産(特A地区)東条山田錦100%使用
アルコール分:17度 日本酒度-1
R1BY 全国新酒鑑評会 入賞☆_f0342355_08585193.jpg
ご購入のお問い合わせはこちら☆




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by matsunotsukasa | 2020-05-26 09:00 | 日記 | Comments(2)

今日も今日とて瓶詰めを

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ーーこんにちは、管理人Hです。


今期の酒造りは先日4月22日に『甑倒し(こしきだおし)』を迎え、毎朝蔵から立ち昇っていた蒸気は消え、米を担ぐ蔵人たちの姿を見ることも無くなりました。毎朝の仕込みが終わったことで少し静かになった蔵ですが、ズラリと並ぶタンクでは今も発酵中の醪(もろみ)が搾られる時を待っています。




一方、瓶場ではこれからまだしばらくは搾られたお酒を火入れ・瓶詰めする作業が続きます。
お酒に熱を加え、瓶に詰め、打栓した後すぐに冷却です。

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ご存知の方もいらっしゃると思いますが少しご説明を...。



醪(もろみ)を搾って出来た透明の清酒(=生酒)は“酵母”が取り除かれたことで発酵はストップしますが、まだ“酵素”が残っています。この酵素の働きをストップさせる熱処理(=火入れ)を行うまで清酒の成分の変化は続きます。




...というわけで、刻一刻と変化を続ける生酒をそれぞれの酒質に合わせて良い頃合いに火入れ・瓶詰めすることは、お酒のクオリティを左右する最後の大切な工程なのです。(その後の貯蔵についてはひとまず置いておきます)

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だからこそ仕込みは終われど気を抜かず、今期最後の一本を詰め終わるまで真剣に、真摯にお酒と向き合い、心静かにお酒の声に耳を傾け、決してふざけること無く、瓶場では今日も今日とて作業に取り組むのでした。



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お後がよろしいようで...。




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by matsunotsukasa | 2020-04-29 12:00 | 日記 | Comments(0)

R1BY(令和元年醸造年度)甑倒し☆

お元気様です☆ 管理人Kです。

皆様、外出自粛要請中、いかがお過ごしでしょうか?
TVやSNS、いろいろな情報があちらこちららで流れ、それを目にする機会が大変多くなっているように思う今日この頃。
それらを自分の中で精査する時間が要ります。その時間を素直によりシンプルに考える時間に当てる事で、自分から必要な情報を取り込んでいけると、効率よくなりそうだなぁ…なんて考えたりします。が、いつもながら自分がこれを出来るかと言われればまた別のお話。かくもそうありたいと思っているというお話。(笑)


さて本題ですが、こんなご時世ですが時間や物の流れは止まりません。弊社の仕込みもまたひと段落、甑倒し(こしきたおし)を迎えました。
甑とは、お米を蒸す為の道具の名前ですね。これを昔の醸造家たちはその年の仕込終了時に甑をひっくり返したというところから甑倒しと呼ばれるようになりました。またその年の新人をひっくり返した甑の上で踊らせて、無事仕込が終わった事を祝ったとの話もあります。(←今は大問題?)とにかく、酒屋業界ではおめでたい日となります。
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 色々な蔵人がいて、色々な問題やエピソードが毎年生まれるこの日本酒業界。仕込期間中が繁忙期であり、仕事がグッと立て込みます。厳しくもありながら、その瞬間風速の速さは気を抜くことを許されません。

それだけに皆その瞬間を全力でやりきる。だから、この甑倒しは本当にホッとする瞬間なのです。
とはいえ、皆造(すべての酒を搾り終える)までは約一か月。

火入瓶詰まで考えると5月末頃にはなろうかと思います。まだまだ気を抜けない部分はありますが、今はひとまずホッと一息☆

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既に蔵人は帰った後ですが、今期蔵メンバー☆



いつもと違う過ごし方、すべてが想定外の状況。どんな状況であれ弊蔵に出来ることは、なんら変わらず美味しいお酒を造る事には変わりありません。
終息し皆様に日常が戻った際には、いつもの美味しい「松の司」がそこにあるように…。

R1BY(令和元年醸造年度)甑倒し☆_f0342355_11583214.jpg
管理人 K。


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by matsunotsukasa | 2020-04-27 14:24 | 日記 | Comments(0)

テイクアウトでおいしく楽しく

こんにちは、管理人Hです。

昨日、「緊急事態宣言」が全国へ拡大され、さまざまな自粛の渦中ではありますが、皆さまお元気ですか?どのような日本酒ライフをお過ごしでしょうか?

テイクアウトでおいしく楽しく_f0342355_17281631.jpg

こんな時だからこそ前向きにということで当蔵では先日『松の司YouTube公式チャンネル』を立ち上げ、また松の司の各商品について2人の蔵人のきき酒対談形式でお届けする『松の司のきき酒部屋』(Vol.1Vol.2)というシリーズブログもスタートしました。

そんな『松の司のきき酒部屋』の中でもお勧めしているのが食事とのペアリング。現在、多くの飲食店さんが取り組まれているテイクアウトの対応をご活用いただき、皆さまのご自宅での日本酒ライフを豊かなものにしていただければと思い、以下に地元滋賀のテイクアウトに関するサイトをいくつかご紹介いたします。



■滋賀テイクアウトプロジェクト #滋賀エール飯

■滋賀のおいしいテイクアウト 滋賀イートエイドMAP

■滋賀のテイクアウト検索サイト ぶらりごはん


この他にも様々なグルメ情報サイトにてテイクアウト可能なお店を紹介されています。
食事と味わってこその日本酒です。おいしく食べて飲んでこの状況を少しでも楽しくそして健やかに乗り切りましょう。



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by matsunotsukasa | 2020-04-18 17:33 | 日記 | Comments(0)

少し明るい話題を…☆

こんにちは。

皆様お元気でしょうか?
先日、緊急事態宣言が発令されました。もういよいよ自分の身を守る為、大事な人を守る為の行動が要求されます。
「~しなさい。」や「~は禁止」など人に言われて制限するのではなく、自らが考え行動する事が大事だと思います。
今求められているのは、しっかりと真剣に考える事、しっかりと自ら示して行くこと。そして、その先の事を考える事。
終息してもなお経済危機は続くと言われています。そこへ向けての準備が必要となります。少しでも前向きに健全にその時を迎える為に…。

タイトルにあるように少し明るい話題☆
去る2月。弊社に地元の中学1年生の生徒さんが来てくれました。
「地域・未来創造学習」と位置づけされ地域の魅力や課題に将来にわたって関わっていく契機とされているそうで、とても良い学習プログラムではないかと思います。
当日は10数名で来てくれて、それはもう可愛らしい子たちばかりです。興味深く何でも聞いてきてくれるし、素直にメモを取る姿が眩しかったですね。

その子たちが地域・未来学習新聞として書いてくれてその一部を見せて頂く事が出来ました。中学一年生の子達、もちろん「あれ?これはチガウよ?」などありながらも、しっかりと松の司は地元竜王との密接していることを認識してくれていたり、無農薬の山田錦を使ったお酒。などもご紹介くださいました☆
少し明るい話題を…☆_f0342355_13242923.jpg

中には、山田錦の栽培土壌についてのクイズまで↓
粘土質ならどんな山田錦が育ちますか??
少し明るい話題を…☆_f0342355_13242604.jpg

将来この竜王町を背負って立つであろう、竜王町の子供たちの成長の一助になれている事が誇らしく思えます。今は分からない事だらけでも、大きくなった時に「あの時酒屋のおじさん、そういやこんな事言うとったなぁ」など、一献のお伽になれればよし。そう思わずにはいられませんね。
彼ら彼女達が育ち、自分の地元が誇れるように竜王町の誇りであり続け、良酒を醸すことで竜王の自慢となれるよう精進して参る次第ですね。

随分先のお話☆10年後、20年後の事を考えて行動する事、これはこれで前向きな事ですね☆これからの主役の為に出来る事。考えて行きたいですね☆

いやいや、おじさんもまだまだ負けませんよ!!これからですからぁ~!! 
管理人 K

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by matsunotsukasa | 2020-04-09 14:18 | 日記 | Comments(0)

しぼりたて楽とおでん。

お元気様です。
管理人Kです☆ 私としては随分久しぶりの投稿となりますね。

気が付けば年末、造り酒屋としましては日本酒の繁忙期と仕込の時期(寒造り)が重なる為。世の酒蔵様は大忙し。
とてもありがたいことです。そんな中、すこーしラフな投稿を☆
しぼりたて楽とおでん。_f0342355_16090817.jpg

 昨日仕事終わりに「しぼりたて楽」を買って帰ると、(社内での利き酒以外で呑むことも大事!)晩御飯はなんと「おでん」。テンションが上がりました。特別な具材などはなくスタンダードなおでん。そこに「しぼりたて楽」。

今年のしぼりたて楽の印象は…
流速が遅いのに軽い、口の中で緊張と緩和が混在する。
香りは至ってシンプルでフレッシュさを感じる果実香。口に含んだ入りは軽く、舌の上を滑るように入ってきます。やや甘い酸を感じることでポップな印象に。しかしその後、口の奥に広がる味わいはじっくりとゆっくりとクリアな米の甘味が広がり旨味となって感じる。その分、余韻は長くゆっくりとキレて行きます。

60%精米と、関西で言う「ちょうど、えぇ(良い)」精米歩合。磨き過ぎず、残し過ぎず。。飾らず、ラフに呑める感覚はやはり名前の通り「楽」である。
これを落とし所とする杜氏の腕がすごいのか、その名がそうさすのか…。是非、飲んで頂きたい一品である☆

いろいろな食材が入っているおでんと飲むと、なおさら万能さを感じ、ついつい飲み過ぎて…。
なんて言いますか、「こたつに入ってアイスクリーム」的な感じで、熱つ熱つおでんと、冷やした新酒生酒!!この贅沢。
旬なものを旬な時に楽しまずして、いつ楽しむ。そう聞こえてきてさらに盃を進めるのでした。

昨今いろんな料理とペアリング。これもすごく楽しいですし奥が深い!日本酒の幅がかなり広がります。でもたまにはラフに飲むお酒も良いですよね。
しぼりたて楽とおでん。_f0342355_16130207.jpg

(もう飲んだらダメ!の合図でした。。)     


激務の中のホッとしたひと時でした☆
さぁ週明けていよいよ年末!!皆様も師走で何かとお忙しいかと思いますが、体調にはお気を付けて今が旬な日本酒を楽しみましょう☆
では、また!!



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by matsunotsukasa | 2019-12-22 16:07 | 日記 | Comments(0)

松の司 エイジング・デイズ

松の司 エイジング・デイズ_f0342355_08471200.jpeg
こんにちは、管理人Hです。

大変遅ればせながらのご報告となりますが、去る10月27日(日)に一部の関係者の方々をお招きして『松の司 エイジング・デイズ』という会を開催致しました。


今回の会は例年秋に開催する『松の司を楽しむ会』とは異なり、完全に当蔵主催のイベント。「土壌別仕込シリーズ」や「AZOLLAシリーズ」を核とする現在の取り組みについてのセミナーに始まり、1990年から今に至る約30年間ほぼ全てのヴィンテージ総数50種類の商品を取り揃えたきき酒会、そしてその酒たちとともに味わう食事会といった内容の特別な会となりました。

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この約30年間というのは、当蔵の現代表 松瀬忠幸が自分の代になり初めて満足のいくお酒が出来た1992年、またその頃から徐々にお付き合いの輪が広がった特約販売店の皆さまと歩んだ時間をあらわしています。元号が“平成”から“令和”となった今年、5月5日には当蔵の名誉杜氏 瀬戸清三郎さんがお亡くなりになり、世の中的にも当蔵としても一つの時代の転換期を迎えたという思いがあります。そんな節目の年に、ただの古酒礼賛という意味ではなく、「松の司」の歩みと時間を刻んだ酒の味わい、そしてお招きした方々と共に前進した交友の歴史への感謝を『エイジング・デイズ』という言葉に込めて開催した会でした。

未だ道半ばではありますが、多くの方々の支えの中で辿り着いた自分たちの今をお伝えし、皆さまの「松の司」への深い思いを感じ、これからの更なる前進を心に誓った次第です。ご参席いただいた方々には改めて心からの御礼を、そしてお招き出来なかった方々にはこれからの「松の司」の味わいで感謝をお伝え出来ればと思っております。

これからも一筋の純粋な真心で酒造りに研鑽して参りますので「松の司」をどうぞ宜しくお願い致します。

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by matsunotsukasa | 2019-11-06 08:58 | 日記 | Comments(0)